・ 不眠症と睡眠障害の違い
睡眠障害とは、夜眠れない、朝の寝起きが非常に悪い、昼間激しい眠気に襲われるなど、社会生活に支障をきたすようなケース全般を指します。いわゆる不眠症もそのひとつで様々な原因がありますが、睡眠障害全般の原因として最近とくに増えているとされるのが、体内時計の乱れです。
・ 睡眠障害の症状は、時差ボケの症状と同じ!
昼間の眠気、頭痛、めまい、疲労感、胃腸不良など、睡眠障害の症状は、海外旅行で経験する時差ボケの症状と同じです。しかもそれがなかなか治らないのが、睡眠障害です。
・ 睡眠障害の原因は、体内時計による「眠気のリズム」のズレ
人間の眠気のリズムは、朝から次第に減少し、昼過ぎにやや眠くなるものの、夜にかけてまた眠気は減少を続け、夜10時を過ぎたころから急激に眠くなるというものです。海外旅行では昼夜がずれることで時差ボケが起きますが、睡眠障害では体内時計による「睡眠のリズム」のほうが大きくずれてしまいます。
・ 体内時計の正体は「時計遺伝子」
最近、遺伝子の研究で、“体内時計”は内臓や皮膚など体中にたくさん存在することが判明しました。体内時計の正体は、「時計遺伝子」と呼ばれる、全身の細胞に存在する遺伝子でした。時計遺伝子は、動物や植物など、あらゆる生物の体内でリズムを刻んでいます。
・ 全身の体内時計を統率する「親時計」は脳にあります
全身に存在する体内時計が揃って動くように統率する「親時計」は、脳の中にあります。朝起きて光を感じると、脳の親時計は自分のズレを機械時計(生活の時計)に合わせてリセットし、その時間を全身の時計に伝えます。全身の時計を朝に合わせられる機能を持っています。
* 体内時差ボケを防ぐポイント ⇒ 朝起きる時間を同じにする事。
* 体内時差ボケが進行する原因 ⇒ ① 夜に強い光を浴びる
② 休日の寝だめ
③ 朝の二度寝
④ 1時間以上の昼寝 など
朝の起床時間が1週間くらいの間に不規則にズレ動くことが原因となります。脳の親時計がリセットされる朝の起床時間は、毎日同じになるようにします。また、仮眠をとるなら30分以内で短めにしましょう。
朝、脳内の親時計は光を感じて時計のズレをリセットし、自律神経を「活動モード」に切り替えます。この時、コルチゾールというホルモンが分泌され、全身の時計を親時計に合わせてリセットして回ります。
一方夜は、親時計が自律神経を「休息モード」に切り替え、メラトニンというホルモンが分泌されて、全身に休息の指示を伝えます。
ところが夜遅くまで明るい光を浴びていると、親時計がまだ寝る時間ではないと勘違いして自分の時計を巻き戻します。するとメラトニンも分泌されず、体は「時間外労働」を強いられることとなり、体のリズムが崩れた状態になります。このような状態が続くと、高血圧や心臓病、糖尿病などの危険性が高まってきます。体内時計の乱れが長期的に続くと、うつだけでなく、記憶力の低下や、とくに高齢者の場合「認知症」の危険性にもつながることが指摘されています。
年齢を重ねると昼間の活動量が減り、生活リズムにメリハリがなくなり、体内時計のリズムにもメリハリがなくなってきます。1日の体温変化で見ても、昼間体温が高く、夜は低いという変化が、年を重ねる毎に小さくなり、その結果眠りが浅くなるなど睡眠の質が低下してきます。
快眠のためには、体温が最も高くなる午後5時ごろに、体の活動を活発化し体温をさらに上げてやることで、メリハリを取り戻しましょう。
・ 午後1~3時の間に30分間程度の短い昼寝をする
目を閉じて安静にしているだけでも、脳の休息になります。短い昼寝の習慣がある人は、認知症になる確率が3分の1に減るというデータもあります。
・ 午後5時頃30分間程度の軽い運動をする
散歩や体操など、軽く息が上がる程度の運動を行います。毎日継続することが重要です。
・ 夕方体操
肩の上げ下ろし(肩こり予防)
⇒ 両肩を大きく持ち上げ、力を抜いてストンと落とす。これを10回繰り返します。
手のひらの押し合い(胸の筋肉を刺激)
⇒ 胸の前で両手の手のひらを合わせ、息を吐きながらそのままゆっくり互いに押し合います。そしてゆっくりゆるめます。これを10回繰り返します。息を止めず、吐きながら押し合うのがポイントです。
足首の曲げ伸ばし(脚・腹の筋肉を刺激)
⇒ イスの横を両手でつかみ、両足を水平に持ち上げます。そして、足首をゆっくり10回曲げ伸ばしします。脚の筋肉と、それを支える腹筋が刺激されます。